Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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とししゅん

蜘蛛の糸・杜子春

芥川 竜之介

Leggi 蜘蛛の糸・杜子春 (とししゅん) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.703 caratteri · 52 schermate

Aozora Bunko

三

と、恐る恐る返事をしました。

「そうか。それは可哀そうだな。ではおれが好いことを一つ教えてやろう。今この夕日の中へ立って、お前の影が地に映ったら、その胸に当る所を、夜中に掘って見るが好い。きっと車に一ぱいの黄金が埋まっている筈だから」

老人はこう言ったと思うと、今度もまた人ごみの中へ、掻き消すように隠れてしまいました。

杜子春はその翌日から、忽ち天下第一の大金持に返りました。と同時に相変らず、仕放題な贅沢をし始めました。庭に咲いている牡丹の花、その中に眠っている白孔雀、それから刀を呑んで見せる、天竺から来た魔法使――すべてが昔の通りなのです。

ですから車に一ぱいにあった、あの夥しい黄金も、又三年ばかり経つ内には、すっかりなくなってしまいました。

三

「お前は何を考えているのだ」

片目眇の老人は、三度杜子春の前へ来て、同じことを問いかけました。勿論彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破っている三日月の光を眺めながら、ぼんやり佇んでいたのです。

「私ですか。私は今夜寝る所もないので、どうしようかと思っているのです」

「そうか。それは可哀そうだな。ではおれが好いことを教えてやろう。