Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

「十五、六の小僧さんでしたよ――親分は八五郎さんと一緒に一万両の小判を追っ駆けて、谷中の五重の塔へ行ったが、悪者の待ち伏せをくらって、八五郎さんは斬り死に、親分は大怪我をしたと――」

縁起でもない――といったように、お静は自分の顔のあたりで手を振るのです。

「八が斬り死に――そいつはよかった。本人が聞いたら胆をつぶすだろう――おや、そういえば足のある幽霊が帰って来たようだ」

平次が指した格子――お静が入って開けっ放したままの入口へ、八五郎は心配そうな顔を持って来たのです。

「親分、姐さんは佐久間町のお母さんのところへも行っちゃいませんよ」

「御苦労々々々。本人はお前と入れ違いに帰って来たよ――少し怪我をしているようだがたいしたことはあるめえ」

平次はお静の傷を焼酎で洗ってやって、有合せの膏薬などをはっております。

無疵の美しい顔に、毛ほどの傷でもつけたのは、八五郎が見てもムズムズするほどの痛々しさですが、傷は幸いたいしたことでなく、本人はすっかり安心しきった顔になって、今更夫の平次と八五郎の顔を見比べております。

「何処でそんな怪我をしたんです」

「おれとお前が谷中で悪者に取り巻かれて、お前は潔よく討ち死に、おれは怪我をして、生死のほどもわからないと聴いて飛び出したんだよ」