Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

「へェ」

「先ず第一にお房の死骸だ」

「御案内いたします」

お房の死骸は、此前お萩の死骸を置いた場所に移されて居りました。寝具も調度もいたって粗末ですが、お房の美しさは、死もまた奪う由もなく、それはまことに抜群のものでした。

色白の細面で、道具のよく整った、品の良い顔立は、お萩の可愛らしさとは又別に、両国広小路に、名物の一つに数えられたほどのことがあります。

傷は八五郎の報告した通り、左背中の甲殻骨の下から突いたもので、恐らく心の臓に達したものでしょう。夥しい血は袷をひたして、眼も当てられぬ凄まじさです。

「此手際は大したものだな八、素人だと、これは双手突きだ。――お房は不意を喰ったのだろう」

平次は八五郎に話しかけて居ります。

「曲者が後ろからそっと忍び寄ったとしたら?」

「昨夜は月があったし、路地は明るい筈だ。後ろから人の近寄るのを、逢引の相手を待って居る気尖った若い女が、知らずに居る筈は無いよ」

「知ってる人が近寄るのを、わざと知らん顔をしているという事もありますぜ」

「だが、それなら、塀に血が飛沫く筈は無い。――黒板塀がひどい血だぜ。ところで昨夜、誰と誰が家に居たか訊こうじゃないか」