Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate
それから五年目」
「――」
「私の父親は、得体の知れない病気で亡くなり、私の母もその年のうちに続いて亡くなってしまいました。怪しい死にように違いありませんが、私はまだ十一や十二で、どうしようも無く、世間付き合いの良い伯父は、誰にも怪まれずに、そのまま出雲屋の主人に納まり、あの身上をヌクヌクと自分のものにしてしまいました。表向の言い分は、兄から身上を預かったので、甥の新吉が二十歳になれば、身代を増やして渡す――という振れ込みですが、今から三年か四年経ったところで、素直に渡してくれそうもありません」
「――」
「私は此通りの病身で、何も彼もあきらめて居ります。うっかり身上に未練のある顔でもしたら、二十歳になる前に、私の命も得体の知れない病気で断たれることでしょう。――私はもう身上に未練もなく、何べんか家出をしようと覚悟しましたが――」
「?」
「父の代から残って居る、たった一人の奉公人のお角が、陰になり日向になり私を庇ってくれて、私の短気を慰めてくれました」
「――」
「それに、近頃は、伯父のあの乱行です。お峰という妾があるのに、お滝まで――」
「お前はそのお滝と、何んか約束でもしたのか」