Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate
何方かに怪しい振舞があれば、もう一人の方が黙って居る筈もなく、二人が睨み合って居る限り二人が下手人でないことは誰にでもよくわかることです。
念のため、平次は、妾のお峰の部屋というのを覗いて見ました。階下の部屋のうちでは、あれが一番贅沢で、その隣のお滝の部屋の同じ六畳は比べものにならぬ程粗末です。
お峰の部屋は鉄桶の如く厳重で、窓には丈夫な格子があり、お滝の部屋との仕切りは壁になって居り、一方には廊下に向いてその廊下を隔てて、居間の六畳に頑張って居たという、才六と新吉の注意をひかずに二階へ登る工夫は無いのでした。
その隣――一番奥のお滝の部屋は、四通八達で窓には格子もなく雨戸を開けると鼻の先に梧桐が一本あって、丈夫な男ならそれを伝わって二階の奥の六畳に行けないこともありません。
だが、それはお峰の部屋でなくて、二階でいどまれて居た筈の、お滝の部屋であったことが、お峰に取って何んという仕合せなことだったでしょう。
平次はそれを見極めて、もう一度才六のところに引返しました。
「もう一つ聴き度い」「へェへェ」
才六は米屋の番頭らしく揉手をしました。
「お前は部屋を明けはしないか」