Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
「親分、妙なことになりましたね」
八五郎は、話し度いこと一パイ溜めた調子で、庭から顔を出しました。
「何が妙なことなんだ」
「あんな良い女が、この世の中に生きて居ると思うと、あっしはこう、張合のあるような、情けないような、死に度くなるような気持になりますよ」
「それが妙なことかえ」
「外にもまだありますがね」
「どんな事?」
「下女のお友が、徳利の酒を下水へ捨てて居るから、私はあわてて止めましたよ、半分はもう捨てられてしまいましたが、まだ残って居るでしょう」
八五郎は懐中から白い伊万里焼の徳利を出して平次に見せるのでした。
「もう一本あったのか、毒酒の入って居た二本は、あの杏斎先生が持って行った筈だ」
平次は受取って匂いを嗅いで見ましたが、酒の匂いの外には、何んの特色もありません。
「少し嘗めて見ないか、八」
「御免蒙りましょう、あっしはまだ死ぬのに少し早いようでもっともあんな女と三日も添い遂げた上ならコロリと死んでも化けて出るような未練がましいことはしませんがね」
そんな太平楽を言う八五郎です。
「良い心掛だ、口惜しかったら千両箱を杉なりに積んで見ろ、お前の望み通りになるぜ」