Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
「その時席に三人の外に人は居なかったので?」
「居なかったが――一人の若い芸子がアタフタと入って来て、吾妻屋に――御新造様が――と囁いた。吾妻屋は面倒臭そうに払い退けて、邪魔だ、向うへ行って居ろ――と叱った」
「それは初耳でした」
「つまらない事だから、言わなかったのだ」
国府弥八郎ことも無げに言うのです。
「その時、芸子は徳利を換えた様子はありませんか」
「気が付かなかった、何分、唯事ならぬ二人の意気込で、私も気が張って居た、――が二人の芸子がお内儀の自害を止めて、そのうちの一人がそれを教えに来たことに間違いは無く、徳利を換える隙などは無かった筈だと思う」
「そうでしょうか」
平次は何やら腑に落ちぬらしく考え込むのです。
「ところで、平次親分は、これをどう思う、吾妻屋は大井久我之助殿を殺して、最初から自分も死ぬ気でやった細工では無いのか」
「飛んでも無い、――千両箱を杉なりに積んで、あれだけの大夫を身受けした吾妻屋の主人が、一年も経たないうちに死ぬ気になるでしょうか」
「成程な、諸行無常を感ずるのは、貧乏人か、振られ男に限るというわけか、ハッハッハッハッ」
国府弥八郎は自分の警句に堪能してカラカラと笑うのです。