Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

少し薄暗い作りですが、大きな流しや、荒い格子や、磨き抜かれた釜や鍋や、よく切れそうな庖丁など、典型的な大町人のお勝手で、女主人のやかましさと、下女の働き者らしさがよくわかります。

「此処でこう――」

とお六は味噌汁を作る手順まで説明してくれました。鍋へ水を入れたのも、鰹節をかいたのも、汁の実を入れたのも、そして戸棚の味噌の小出し瓶から、杓子で味噌を出して、鍋の中に入れたのも、ことごとくお夏のやったことに間違いもなく、毒が本当に味噌汁の中にあったとすればお夏の手を一度経たことは疑いもありません。

「その味噌汁の残りは何処にあるんだ」

平次に取ってはそれは唯一の手掛りでした。

「石原子分衆もそれを訊きましたが、皆んな中てられたのがお味噌汁とわかると、気味が悪くて、其辺へ置けないじゃありませんか、直ぐ溝へ捨ててしまいましたよ」

「鍋は?」

「ざっと洗ってしまいましたが」

「何ということをするのだ」

平次は地団太を踏み度い心持でしたが、この確り者らしいくせに、そんな事になると、全く想像力を持たない下女を相手に、今更腹を立てたところでどうにもなりません。

「味噌の小出しの瓶というのは」