Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

無いか――と、これは下女のお六の見立てですがね」

「何んか変なことでもあるのか」

「許婚の娘にこき使われて、色文の使いまでさせられるんだから、正気の沙汰じゃありませんね――もっとも親兄弟もなく、身寄も無くて、江島屋に引取られて育った人間だと言うから、腹を立てて飛出したところで、行く当ても無いことでしょう、――これがあっしなら、お艶をさらって山の中へでも逃げ込み、思う存分苦労をさしてやるが」

「物騒なことを考える奴だな、お前は」

「大丈夫ですよ、あっしには許婚も何んにもありゃしません」

「それっ切りだったな」

「もう一人、江島屋の下男の幹助、あれは良い男ですね、色が赤黒くて、恐ろしく達者で、秩父山中から生捕って来た熊の子みてえな野郎ですが、無口で無愛想で、お嬢さんのお艶に白い歯も見せないのは、あの男ばかりですよ」

「性分だろう」

「そのくせ、あっしなんかには当りがよくて、最初から馬が合いましたよ、何んだってそんなにお嬢さんに素気なくするのかと訊くと、女の高慢なのと坊主の腰の低いのは大嫌いだって言やがる」

「それじゃ、お嬢さんを綺麗だとは思わないかと訊くと、――梨でも桃でも、虫が付くと不思議に綺麗になる――って言やがる、皮肉な野郎ですね」