Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

何となく気の滅入る四五日だったのです。

銭形平次の手柄は、いやが上にも評判になって、うっかり外へ出ても、人に顔を見られるようなこの頃ですが、平次にとっては、それがまた、たまらない屈辱のような気がしてならなかったのです。

頼まれもしない十何人の少年少女は救いましたが、あんなに頼まれた、たった一人の少年を救うことが出来ないのは、何という意地の悪い廻り合せでしょう。

「冗談じゃねえ、親分、お春が死にましたぜ」

「お春?」

「金座役人の石井のお小間さ、――坊っちゃんがさらわれたのは私のせいだし、他の子が助けられた中に、坊っちゃん一人だけ見付からないようでは、申訳がなくて生きちゃいられないという遺書があったんですって」

「それは気の毒だ、勝気な娘のようだったから無理もないが、そう言われると、何だか俺が殺したような気がしてならねえ」

「親分、冗談じゃありませんよ」

「とにかく、石井へ行ってみようか」

二人はそのまま本町の石井平四郎の家へ行きました。十日目ぐらいの訪問です。

死んだお春は人気者だったので、家中が何となく湿っておりました。死装束の晴着に換えて、白布で膝を結え、香まで焚いて、どこから持出したか、女持ちの懐剣、左乳の下を一とえぐり、武士も及ばぬ見事な最期だったそうです。