Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

「…………」

「まして五年越し若様を養育した上、虫のように殺されちゃ浮び切れません。娘のお北の心持は一体どうしてくれるんで」

「相済まぬ」

「相済まぬ――で親を殺された者の心持は済むでしょうか。ね、御用人、人間の命には、大名も職人も変りはありませんよ」

「…………」

「龍の口へ訴え出ると申したのは、決して脅かしじゃありません。あんまり没義道なことをされると、町人風情もツイそんな心持になるじゃございませんか」

平次は少しも責手をゆるめません。

「平次とやら、その方の言葉はいちいち胸に徹えたぞ――何を隠そう、腹黒い勇三郎様に、御家督を継がせる心外さに、これはみんなこの石沢左仲のした事だ。伊之助の帰途を追っかけて、斬って捨てたのもこの私だ。後閑氏ではない」

石沢左仲、手槍を投げ捨てると、畳の上にどっかと坐りました。癇癪持だけに、生一本で正直者で、思いつめると待てしばしがありません。

「石沢氏」

驚いたのは後閑武兵衛でした。

「いかにもお北に討たれてやろう。命は塵ほども惜しくないが――平次、これだけを聞いてくれ。大身の武家も左官の家も変りがないと言っても、家来の私から言えば、主家を潰すわけには行かぬ」