Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate
しょっ引いて行きましょうか」
「待て待て、少し腑に落ちない事がある」
平次は元の小屋に引返すと、その匕首を皆んなに見せました。
「小屋の道具でないことは確かで――第一、そんなによく切れるのは危なくて、舞台へ持出しゃしません。もっとも、銘々どんなドスを隠して持っているか、それまでは解りませんが――」
権次郎の言うことは一向取止めもなかったのです。
「ここの演し物に、縄抜けがあったはずだが」
平次は不思議なことを訊きます。
「それは、倉松の十八番でございますよ」
権次郎はこの上もなく無造作な調子でした。
「抜けるのは倉松だろうが、縛るのは誰だい」
「お客に縛って頂きます。――お客が引込み思案で出て下さらない時は、三太がやりますが」
「ちょいと、ここでやってみてくれ」
「ヘエ――」
権次郎も三太も倉松も変な顔をしましたが、銭形平次の望みに反きようもなく、舞台で使う細引を持って来て、木戸番の三太の手で、キリキリと倉松を縛って見せました。
「もうそんな事でよかろう、抜いてみてくれ」
「…………」
倉松は何か襲われるような心持らしく、引っ切りなしに平次の顔を見ております。これが、いつ、本縄に変るかも知れないと思うのでしょう。