Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(六)結納の行方

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(六)結納の行方 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.597 caratteri · 289 schermate

Aozora Bunko

「あの時、どんな事がおかしかったんで?」

「家の中に泥の足跡のなかったのを第一番に気が付いたよ。自分の家に泥足で入るのはイヤだろうし、それに引窓は内からこわしたんだから、梯子にも及ばなかったんだ――俺がそれに気が付くと、あの後で入った家へは泥の足跡を付けないように用心した上、梯子を一度も使わなかった」

「ヘエ――」

「お琴を縛るのに、寝巻の上へ袷を羽織らしたのもおかしい。庇いすぎたんだ。それから縄の結び目は、植木屋や仕事師や、船乗や、岡っ引じゃない、あれは小道具の方から来た武道の伝授物だ」

「ヘエ――」

「俺に泊ってくれと言うのを幸い、手前を泊めたのは、それとなく二人の間を見張らせるためさ。平太夫がそんなに年寄りでないことや、あの女は娘でないことも俺は気が付いていたよ」

「…………」

「俺に疑われたと思うと、手前に寝酒をあてがった後で家を脱け出し、両国の酒屋に押入って、竹乗りの倉松に疑いを被せたり、女隠居にわざと素足や総髪を見せて、とんでもない方へ疑いを外らせる工夫をしたのさ。あの女隠居はなかなか確り者らしいが、その確り者が命がけで耳をすましていて聞えない物音を、曲者だけが聞いて逃出すはずはない。