Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十三)青い帯
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate
突っかい棒は苦もなく取れて、百貫近い石の蓋が落ちると、間に挟んだ木の小箱は、微塵に砕かれてしまったのです。
「それをやったのは誰だ、銭形の」
鎌倉河岸の佐吉は詰め寄ります。
「そこまでは考えなかったよ。――下手人はこれから捜すんだが」
平次は深々と腕を組みました。赤い夕陽が土蔵の中へ長々と這って、まだ拭き清めもせぬ血潮の跡を不気味に照らします。
五
それからガラッ八と佐吉は、下っ引を動員して調べ抜きましたが、弥惣をいちばん邪魔にしていそうな若主人の藤吉は、その晩持病の腹痛を起して、按摩の喜の市と婆やのお浅が夜っぴて看病し、夜が明けて少し気分がよくなったところで小僧の定吉に蔵の鍵を出してやったり、弥惣の死骸を見せられてすっかり腹痛を忘れてしまったり、完全無欠な現場不在証明を持っていることが判りました。
こんな騒ぎがあったと知ったら、石の蓋の下へ、骨を折って懐中煙草入を差込む者もなかったでしょう。
日頃弥惣に虐げられ通しでいた、通い番頭の彦太郎は、いつもの通り同じ町内の自分の家へ帰って、娘を相手に一杯飲んで寝たっきりで、翌る朝まで眼も覚めなかったと知れて、これも疑いの圏外へ遠く逸れてしまいました。