Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十三)青い帯

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十三)青い帯 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 114.244 caratteri · 231 schermate

Aozora Bunko

そんな無駄を言ううちに、二人は越前屋の店先に着いておりました。

「あ、親分さん方」

少しあわて気味の番頭と、白い眼で迎える親類たちの間を通って、平次と八五郎は奥へ入りました。ムッと立ち籠めた香の煙、緊張と不安を押し包んだようなただならぬ空気、――物馴れた平次と八五郎にも、この家の中に漂う、異常なものを感じないわけに行きません。

奥の間に寝かしたまま、検屍を待っている娘お吉の死体を、平次は膝行り寄って一目見せて貰いました。醜かるべき絞殺死体ですが、これはまたなんという美しさでしょう。

無念の眦こそ裂けておりますが、彫んだような眼鼻立ちが恐怖に歪められて、物凄さもまた一入です。

「紐も縄もなかったのか」

平次は死骸の襟をはだけました。玉の肌は無残にも傷付いて、痛々しく組紐のあとが残っておりますが、そこには何にも巻いてはいなかったのです。

「丈夫な腰紐が巻きついていましたよ」

八五郎はうさんの鼻をふくらまします。

「死骸の首に巻いてあった紐はどうした」

平次は振り返ると厳しく番頭の理八を責めました。

「ヘエ――」

理八は月代まで蒼くなりましたが、急には返事もできない様子です。