Classici giapponesi con furigana
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おんぱのさつじん
音波の殺人
野村 胡堂
Leggi 音波の殺人 (おんぱのさつじん) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.399 caratteri · 30 schermate
「――大将――、大変な事が――」
外交記者中の辣腕、早坂勇の声が、切れ切れに聴えます。
「何をあわてるんだ、勇、新聞記者に大変な事なんかあるものか、――尤も往来で借金取りに逢えば別だが」
「そんな馬鹿な事じゃ無い、長島若菜が殺されたんだ」
「何? あの流行歌手の若菜が!」
千種十次郎は噛んで居たピースを、糊壺の中へ捻じ込むと卓の上の足を床におろして、一生懸命卓上電話に噛り付きました。ニュースを呪っていた、ツイ今しがたの心持などは綺麗に忘れて、火のような新聞記者意識が、疲労も倦怠も焼き尽すように燃え上ったのでした。
「自分の宅で、拳銃で撃たれて死んで居るんだ、――犯罪はたった一時間前に行われたばかり」
「君は今何処に居るんだ」
「若菜の家だ、――フラリと警視庁へ行くと、捜査課の連中が、コソコソ繰り出す様子だからタクシーで後を跟けると、代官山の若菜の家じゃないか、表は警官が張番をして通さないから、女中を口説いて風呂場から入れて貰ったんだ、――グランド・ピアノの前に支那絨毯を血に染めて、仰向に倒れた若菜を見た時は、俺もギョッとしたよ、女が美いから、そりゃ凄いぜ」
「馬鹿だなア、――死骸なんかを眺めてぼんやりして居たんじゃあるまいな、――他社の連中は何うして居る」