Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぐろにいわし

鮪に鰯

山之口 貘

Leggi 鮪に鰯 (まぐろにいわし) di 山之口 貘 (やまのくちばく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.107 caratteri · 54 schermate

Aozora Bunko

土地〈3〉

作者

鼻の一幕

女房の背中の赤ん坊に言った

どれどれこのやろ

来たのかこのやろと言った

土地〈3〉

住めば住むほど身のまわりが

いろんなヤロウに化けて来るのだ

疎開当時の赤ん坊も

いつのまにやらすっかり

ミミコヤロウになってしまって

つぎはぎだらけのもんぺに

赤い鼻緒の赤いかんこで

いまではこの土地を踏みこなし

鼠を見ると

ネズミヤロウ

猫を見ると

ネコヤロウ

時にはコノヤロバカヤロなどと

おやじのぼくにぬかしたりするのだ

化けないうちにこの土地を

引揚げたいとはおもいながらだ

作者

ほめてみたり

けなしてみたりの

世間の批評を蒙むるたびごとに

おまえは秤をたのしんだ

あちらの批評と

こちらの作品と

鼻の一幕

かつておまえは見て言った

もしも自分があんなふうに

鼻がかけてしまったら

生きてはいまいとおまえは言った

生きてはいまいとおまえは言ったが

自分の鼻が落ちたとみると

なんとおまえはこう言った

命があれば仕合わせだと言った

命があれば仕合わせだと

おまえは言ったがそれにしても

物のにおいがわかるのか

鼻あるものらがするみたいに

この世を嗅いだり首をかしげたりするのだが

どうやらおまえの出る番だ

いかにも風とまぎらわしげに

おまへは顔に仮面をして