Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖 (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.957 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

「それは、そう思ったこともある。しかし、遺恨の怨みのというやつは、カッとなったときこそ真剣にもなれるが、明けても暮れても、いつまで火の玉みたいになってはおられない。ことにサ、旅になんぞ出てみると、よけいに冷静になるからなア」

「じゃアどうでも、吾々と目的を一ツにして行く気はないというのだな」

「オイ天堂氏。よく貴公は目的目的というけれど、これからお綱や万吉に追いついて、なお、弦之丞を討ったにしても、いったいその暁に、この周馬は何をつかむ勘定になるんだな? それが拙者には茫漠なのだ」

「勘定? ……フーム、すると貴様はなんだな、すべて最初から、打算一方でかかっているのか。武士の意気地もなく、また、復讐の念慮もなく」

「だれが意気地ばかりで命がけになれるものか。早い話がお手前にしろ、お十夜にしろ、みな胸に一物ある仕事ではないか。――周馬にはその報酬がない」

「呆れてものがいえぬわい。まるで腐った町人根性、もうそんな似而非侍とつきあう要はない、いやならここから帰れ帰れ!」

「なんだ、帰れとは!」

周馬も少し目柱を立てた。

いくら武士の意地立てを軽蔑している周馬でも、ここまで罵倒されれば存分だ。