Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なるとひちょう

鳴門秘帖

吉川 英治

Leggi 鳴門秘帖 (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.957 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

その代りにですね、森様、たんとじゃございません、千両といいてえが、その半分ほど、ご拝借願いたいと思いますが、どんなものでございましょう」

「な、なにをいうのだ」

「お金を貸してくれという話なので」

「そちは正気でないと見えるな。暴言を吐くにも程があるぞ」

「程があると思うから、千両欲しいところを、こっちから五百両と負けて出ているんじゃございませんか。安いもんでございます、何とか算段をしておくんなさい。それもサ、何もお前さんの自腹を切って出せという話じゃねえ、蜂須賀家のお金蔵から、威張って引きだせる筋のものです」

「だまれ! 蜂須賀家の公金を、たとえ一文でも、貴様のような奴に下さる筋があろうか」

「出ねえものを取ろうとして、無駄骨を折るような三次じゃございません。じゃ、そのところを、チョッピリ耳こすり致しますが、蜂須賀様じゃ、また近頃、だいぶ精を出して、火薬を買い込むって話じゃございませんか――あの天下御法度の戦薬をね。そりゃ、何かに要るからでござンしょうが、廈門船や西班牙船から長崎沖で密買した火薬を、この阿波の由岐港に荷揚げをしてコッソリと、渭の津の山へ運びこむってえ噂が、もっぱら評判でございますよ、といっても、色をかえて、びっくりすることはございません。