Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
その女は屋敷者らしい上品な人でしたが、身なりは余りよくない方で、破れた番傘をさしていて、九つか十歳ぐらいの女の子を連れていたそうで、まあ見たところでは浪人者か小身の御家人の御新造でもあろうかという風体で、左の眼の下に小さい痣があったそうです。」
それだけのことでは、その売主についてもなんの手がかりを見いだすことも出来なかった。まあいい。そのうちには何か知れることもあるだろうと、邦原家でももう諦めてしまった。そうして、またふた月あまりも過ぎると、十二月の末の寒い日である。ゆうべから吹きつづく空っ風に鼻先を赤くしながら、あの金兵衛がまた駈け込んで来た。
「御隠居さま、一大事でございます。」
茶の間の縁側に出て、鉢植えの梅をいじくっていた勘十郎は、内へ引っ返して火鉢の前に坐った。
「ひどく慌てているな。例の兜のゆくえでも知れたのか。」
「知れました。」と、金兵衛は息をはずませながら答えた。「どうも驚きました。まったく驚きました。あの兜には何か祟っているんですな。」
「祟っている……。」
「わたくしと同商売の善吉という奴が、ゆうべ下谷の坂本の通りでやられました。」