Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
むぎわらぼうし
麦藁帽子
山本 周五郎
Leggi 麦藁帽子 (むぎわらぼうし) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6888 caratteri · 14 schermate
宿の女中の話は疑いもなく本当のことであるに違いない、けれどもそれはただ本当のことであるというにすぎないのだ。
「嘘ですわ、何もかも嘘ですわ、お客様は騙されなすったんですよ」
そう云った女中の言葉は、明かに罪人を裁く法官の鋭さと搨抉をもっていた、それにしてもなんと法官の多いことであろう。
二日ばかり雨が続いた。
雨があがると何よりも先に斧田は老人に会いたくなり、宿から釣道具を借りてでかけて行った。老人はすでにいつもの場所へ来て、例のごとく独りじっと釣糸を垂れていたが、斧田の顔をみると手をあげて悦びの合図をした。
「今日は僕も釣りに来たよ」
「ようござった、餌は何を持って来さしったかね、ああこれは駄目だあ」
老人は斧田の餌箱を覗いて頭を振った。
「この餌じゃべらは喰わねえ、わしがのをお使いなせえまし、なあに足らねえばいくらでも掘って来て進ぜるで」
老人は斧田のために場所を選び、餌のつけかたや浮木下の加減をみたのち、並んで草の中へ座った。――よく晴れた日で、遠くところ島の岩礁が白く泡立っているのが見え、ゆるい東南の風に送られて、沖のほうから寄せる波が足許の岩にうち当ってさあと砕けた。