후리가나로 읽는 일본 고전
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면
此処は珍しくも双方に窪地を持った様な、小高い峠に湯が湧いているのであった。無色無臭、温度もよく、いい湯であった。此処に此儘泊ろうか、もう三四里を歩いて四万温泉へ廻ろうか、それとも直ぐ中之条へ出て伊香保まで延ばそうかと二人していろいろに迷ったが、終に四万へ行くことにきめて、昼飯を終るとすぐまた草鞋を穿いた。
私は此処で順序として四万温泉の事を書かねばならぬ事を不快におもう。いかにも不快な印象を其処の温泉宿から受けたからである。我等の入って行ったのは、というより馬車から降りるとすぐ其処に立っていた二人の男に誘われて入って行ったのは田村旅館というのであった。馬車から降りた道を真直ぐに入ってゆく宏大な構えの家であった。
とろとろと登ってやがてその庭らしい処へ着くと一人の宿屋の男は訊いた。
「エエ、どの位いの御滞在の御予定で被入っしゃいますか」
「いいや、一泊だ、初めてで、見物に来たのだ」
と答えると彼等はにたりと笑って顔を見合せた。そしてその男はいま一人の男に馬車から降りた時強いて私の手から受取って来た小荷物を押しつけながら早口に云った。
「一泊だとよ、何の何番に御案内しな」