후리가나로 읽는 일본 고전
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
若山 牧水의 みなかみ紀行(みなかみきこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 102,087자 · 203화면
二月十日。
二月十日。
夜中一二度眼の覚めた度び毎に例の風を聞いたのであったが、朝六時過ぎ、暫く耳を澄ましてもひったりと何の音もせぬ。怪しみながら床を出て高窓の戸を引開けて見ると驚いた、その小汚い窓の真正面にそれこそ玲瓏を極めた大富士の姿が曙のあやを帯びて如何にも光でも発するものの様に聳えているのである。見廻したところ其処等の樹木の梢から屋根からいずれもみなしんと静まり返って唯だ雀の声のみ鮮かだ。惶てて階下に降りて訊くと汽船は二時間遅れてこの七時半には出るそうだという。
以前はツイこの川岸に横着けになっていたものだが、今は川口が浅いため汽船は沖にいて其処まで艀を発動船で運ぶのだ。川口を離れると昨夜の名残らしく随分大きい浪が打ち寄せる。四五十人鮨詰に立っていた艀の人達も大抵は蹲踞んでしまうほどであった。本船に移って大半は階下の船室に入り込んだが私は早速蓆を敷いて甲板に席を作った。船に強そうな十二三人もみなその様にした。積荷は既に済んでいたらしく、程なく発船、私の席からは其処に積み重ねられた魚の空樽の間に殆ど断えず富士が仰がれた。やがてそれぞれの人の間に船の上らしい談話が交わされ始めた。