후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 340,187자 · 666화면
と……。
肩から月に濡れて立っている諏訪栄三郎。
脇差坤竜をグルッと背中へまわし差して、手の、抜き放すと同時に法勝寺三郎の生き血を味わった愛剣武蔵太郎安国を、しきりにそばの、まだ映山紅を霜囲いにしてある藁へ擦りぬぐっている。
そして、こともなげな静かな低声が、殷々として左膳の耳へ流れた。
「――丹下殿、乾雲丸をお所持になったか? ははは、いや、坤竜はたしかにここに! サ、雲よく竜をまきあげるか、それとも竜が雲を呼びおろすか……まだ夜あけまでは時刻もござる。今宵こそはゆっくりと朝まで斬りむすぼう、朝まで――」
ひとりごとのようにこういいながら、栄三郎は、せっせと藁で血がたなをぬぐっている。
虚心の境……。
神変夢想流において、もっとも重くかつ、もっとも到りがたしとなっている忘人没我の域に、今宵の栄三郎は期せずして達しているのだった。
何が機縁となって、かれらの剣胆をここまで導きあげたか?
それは、いうまでもなく、お艶が泪をのんで打った、あの影芝居であった。
思いにわだかまりあれば、腕がにぶる。
栄三郎の場合がちょうどそれだった。
すべてを捨てお艶に走ったかれとしては、そのお艶に去られたのちも、口や表面はともかく、胸の奥ふかくお艶を慕うこころ切々たるものあるのだったが、こんやという今夜、はからずも芸者姿のお艶