후리가나로 읽는 일본 고전
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
林 不忘의 丹下左膳(たんげさぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 340,187자 · 666화면
を見て、これだけでさえ、いよいよ栄三郎に彼女を思いきらせるに十分だったところへ、まるで見せつけのような男との痴話ぐるい――栄三郎は、あの、二階の障子に黒く大きく写り出た男女の影によって、ここに初めて長夜の夢からさめたような気がしたのだった。
やはり、当り矢のお艶は当り矢のお艶だけのもの。男をたらす稼業の水茶屋女が、それに輪をかけた芸者になったとてなんの不思議があろう?……こう思うと、栄三郎は、影の相手の男が誰であろうと、そんなことはもうどうでもよかった。
ただ豁然とあらゆる未練をたった彼、おのが心身の全部を挙げて乾坤二刀の争奪につくそうと、あらたなる闘魂剣意にしんそこからふるい起ったままであった。
忘れかけていた小野塚鉄斎直伝神変夢想流の覇気、これによみがえった栄三郎は、もはやこの日ごろの栄三郎ではなく、ふたたび昔日、根岸あけぼのの里の道場に雄を唱えた弱冠の剣剛諏訪栄三郎であった。
今やかれの前にお艶なく、われなく、世なく――在るはただ亡師の恩と高鳴る戦志の血のみ。
かくてこそ、これからなお雲竜の刀陣に介して、更生の栄三郎が思うさま神変夢想の秘義を示し得るわけ……だが?