후리가나로 읽는 일본 고전
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 人間豹(にんげんひょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,989자 · 311화면
二匹の野獣
彼女が両手を上げて防いでいたのは、その人間に対してであったのだ。
みるみる視界に現われてきた一人の男。恩田だ。息子の方の恩田だ。いつかの夜、草むらに二つの燐光を輝かせて、蛇のように這って行ったあの怪物だ。
見よ、彼はやっぱり両手をついて這っているではないか。この怪人にとっては、立って歩くよりも、けだもののように這う方が自然なのだ。人間ではない。あの弘子の方へ這い寄って行く無気味な身のこなし、あれが人間であろうか。獣類だ。獣類にしか見られぬ形だ。
怪物の両眼は、昼ながら、二つの青い燐光のように、爛々とかがやいている。彼がいかに昂奮しているかを語るものだ。ヌメヌメと濡れた唇は、息をするたびに、裂けるようにひらいて、まっ白な歯が気味わるく現われ、例の猫属のドス黒い舌が、歯と歯のあいだからチロチロと覗いている。
怪物は、ちょうど猫が鼠にたわむれる恰好で、脅える弘子の身辺に、あらゆる方角から、這い寄ってはパッと飛びすさり、今にも襲いかかろうとしては退きして、この残酷な遊戯を、さもさも楽しげに、できるだけ長引かそうとしているかに見えた。
二匹の野獣
恩田は皺くちゃになった黒い洋服を着ていたが、それが彼の精悍な痩せた四肢にピッタリくっついて、そのまま一匹の巨大な黒豹であった。