후리가나로 읽는 일본 고전
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
岸田 国士의 光は影を(ひかりはかげを)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 138,262자 · 276화면
美佐という妹の正体がまつたくつかめなくなつた。妻子のある男との恋愛関係に、どれほどの悦びと悩みがあつたか、それを知るひまもなく、どんな経路を辿つたにもせよ、彼女の運命は、そこまで彼女を引ずつて行つたことを、今聞かされて、彼の胸は張り裂けるようだつた。もつと早く、救援の手を差しのべることを、なぜしなかつたか? 彼女の不幸を予感できなかつたわけではないが、それよりも、彼女の勇気と、生きる力を信じようとしたからであつた。
すべては、後の祭りだ、という気がした。しかし、それにしても、眼をつぶつていていゝのであろうか?
「おい、南条、とにかく、飲もう」
そこから、二人はタクシーを拾つて銀座へ出た。先ず、ビヤ・ホールからはじめ、やがて、バアに移り、そこで、酔いがまわると、京野等志は、
「おい、築地の待合つていうのを教えろよ。おれは美佐に会う。会うべきだと思う。貴様は、一足、先へ帰れ」
南条己未男は、言われるまゝに、とある待合に彼を案内した。
京野等志は、待合というところへは、生れてはじめて来た。ずつと以前、やはり会社の連中と、箱根の温泉宿で芸者の出る席に列したことはあるけれども、自分で、芸者を呼んだという経験は一度もない。