후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆめはよびかわす
夢は呼び交す
蒲原 有明
蒲原 有明의 夢は呼び交す(ゆめはよびかわす)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,126자 · 210화면
見ていると、その海の急傾斜の面を、煙筒から黒い煙を吐いている小蒸汽船がことことと機関の音をさせて転覆もせずに快調にすべってゆく。エドガア・アラン・ポオにあの名高いメエルスツルムの渦潮の恐ろしい記述がある。いわば海も船もあんな状態であるが、今ここに挙げる心像にはいささかの危険も伴わないのである。
回想はもちろんこれ以上には展がらない。汽船は進行を続けているはずであるのに、始終同じところを運転しているように思われるのが、この不思議な画面に一種の落著きを与えている。場所は芝浦、海は東京湾である。
その二つ。京橋の数奇屋河岸である。或る家の二階の窓から母と一しょに火事を見ている。よくは見えぬが茶褐色の煙が向うにあがっている。「坊ちゃん。火事はお家の近所です」と誰やらが告げる。母は心配して、すぐ帰り仕度をして、車を急がせた。帰り著いて見ると、形勢は穏かでない。町筋は人と荷物で混雑を極めている。
「こんなところへ小供を連れて遣って来てはあぶない。」父であったか他の人であったかわからなかったが、叱るようにいう。
すごすごとまた同じ車でもとの河岸ぷちの家に戻る。そうこうするうちに日が暮れて来る。