후리가나로 읽는 일본 고전
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
野村 胡堂의 奇談クラブ(全)(しんきだんクラブ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,139자 · 208화면
これは私の癖の一つで、夜更けまで仕事をすると、一度は屋上庭園へ出て、夜の大都の景色を眺め乍ら、いくらか清らかな空気を吸わなければ我慢が出来なかったのです。
尤も、私と丸茂三郎と二人で経営して居る貿易商会は、このビルディングの八階を二た間占領して居たせいもあったでしょう。エレベーターの後ろへ廻って、厳重な差掛屋根を出ると、すぐ私の散歩場なる屋上庭園は、何んの蟠りもなく、丸ノ内の中空に宏々と展べられて居たのです。
その日は意地悪く船が入って、急ぎの仕事は山ほど嵩みましたが、たった二、三人の社員を、何時までも残して置くわけにも行かず、共同経営者なる丸茂三郎は、風邪の気で頭痛がして叶わないと言うものですから、皆んな宵のうちに帰してしまって、私だけ一人、若さと熱心さを相棒に、とうとうこんなに遅くまで仕事をしてしまったのです。
屋上庭園へ出ると、春の夜の外気は恋人の呼吸のように香ばしく温かですし、烟ったような朧月に照されて、夢見る如く眼下に展開した大都の景色など見ると、馴れては居ると言っても、さすがに悪い心持はしません。
うろ覚えの伊太利の小唄を、口笛で吹き乍ら、小砂利を踏んで、ザクザクと歩いて居ると不思議なものが私の眼に入って来たのです。