일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면

아오조라 문고

日が昏れるとその父子は住居へ帰る。それはわれわれの「街」の八田じいさんの家に添ってあり、つまりじいさんの家の羽目板にくっつけて、古板を合わせて作った物であった。高さ一メートル五〇、幅が一メートルちょっと、長さ二メートル弱の、犬小屋そっくりの手製の寝小屋で、中には板を重ねた床と、藁と蓆がつくねてあり、それが父子の寝具であった。

小屋の外にビール箱があり、中には丼が二つと箸、ふちの欠けたゆきひらと、でこぼこにへこみのあるニュームの牛乳沸しが入れてあった。ビール箱の脇に、針金で巻いた七厘があるが、針金を解けばばらばらになること間違いなしというほど、使い古した毀れ物であった。

父子は小屋の外で食事をする。ゆきひらと牛乳沸しの中に、めしと汁などがはいっていて、それはパンとシチューであったり、チャーハンとコーヒーであったり、肉と野菜と魚と、パン屑や米のめしの入り混った、なんと云いようもない食物であったりしたが、父も子も、それがどんな料理であるかについては、無関心であった。

無関心だというより、実際にはその物自体から注意をそらし、嗅覚や味覚や視覚を、できる限り他の方向へ集中することにつとめているようであった。