후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
「おまえは天気がどうのこうのというが、それは気象学としての文句か、それとも天文学としての文句か」
北の長屋に付属して、二戸建ての古屋があり、あまりに古く、手入れもしないため、ぜんたいが南へかしがっており、いまにも倒れそうにみえるため、そちら側に三本の長い杉丸太で突っかい棒がしてあった。――ところで、暴風雨がやって来ると、その家の住人たちは、いそいでその突っかい棒を取りはずすのである。これは誰でもいちおう「逆じゃないか」と疑いをもつ。嵐になるのだから、そのときこそ突っかい棒をする、というのが一般的な考えだからだ。けれどもその家の住人は、「それは常識というものでこの家には通用しない」という。もしもその家に突っかい棒をすれば、強風のため家はばらばらになってしまう。突っかい棒を取りはずしてやれば、家は風の強弱に順応してゆらゆらと揺れる。要するに風に抵抗しないことが、この家の唯一の保全法なのだ、ということであった。
「それはもはや建築学では論じられないな」京太は話を聞いていった。「むしろそれは、材料強弱学の問題だあね」
妻のおたねは従順であった。亭主より一つとし上というひけめなどではない。