후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
「いま国鉄で継ぎ目なしのレールを使い始めたね、きみ、なにを隠そうあの継ぎ目なしレールのアイディアは僕のものなんだよ」ちょろはこくっと大きく頷いてみせた、「それも戦争前、第二次大戦の始まる五、六年まえだったかね、ぼくはそのアイディアを国鉄、いや当時は鉄道省だな、鉄道省の次官に示して大いに演説をぶった、それに対して次官はなんといったか、きみ想像ができるかね、え、ばんくん」
七代目はごく緩慢に眼を左へ向け、それを正面に戻し、じっくり右へ向け、また正面に戻した。
「想像はつくまいな、うん」ちょろは満足そうにいった。「次官はこう答えたね、土川くん、日本はね、きみ、いま大変な時代に当面しているんだよ、詳しいことは機密だからいえないが、日本はまもなく鉄飢饉にみまわれる、きみのアイディアはだめだね」
「だめとはなんですか、とぼくはきいたね」春彦は続けた、「次官が答えて云うには、国策上の最緊急物資は鉄だ、鉄道省ではきみ、いまレールの継ぎ目を二ミリ拡げることを考えているんだ、レール一本につき両端一ミリずつの鉄を削って、それを国策の緊急資材にまわそうというわけさ、きみの継ぎ目なしレール案は国策に逆行するものだと云うほかなしだね」