후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
「ええ、おかげさまで」とおるいさんは水道端で、例のように洗い物をしながら、かみさんたちに答えて云う、「みんなよく云うことを聞いてくれますよ、それだけがとりえですけれどね、なにかわるいところがあったら、構わないからどしどし叱りつけてやって下さいな、他人さまに叱られるのがなによりのくすりですからね、お願いしますよ」
こうして洗いあげた物を、自分の家の横に戸板を置いて、その上にきちんと並べて干す。なになにが並べられるかはこの章の初めに記したから参照していただくが、それはまさしく清潔好きと物持ちのよさを示す点で壮観とさえいえただろう。――或るとき、通りかかった中年の女性が、この展観物を認めて立停り、つくづく感じ入ったように眺めていたが、やがておるいさんに向ってこうきいたものであった。
「あの、失礼ですが、これは売り物ですか?」
塩山一家の生活は、時計の針のようにきちんとしていた。慶三の出勤時間、帰宅時間、娘たちの登校時間と帰宅時間、食事、入浴も物差で計ったようにきっちりときまっていたし、この「街」ではかなり稀な例だが、家族の衣服も季節によって変った。もちろんそれらは幾たびも洗濯し、縫い直されたものだったし、色も柄もじみな品で、袷から単衣に着替えても、さして人の注意をひくようなことはなかったが、中に眼のするどいかみさん