후리가나로 읽는 일본 고전
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きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
山本 周五郎의 季節のない街(きせつのないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 201,379자 · 394화면
そこへ奥さんが出て来た。客たちは彼女の躰躯の大きいのと、顔にあらわれた異常さ、――痣があるという意味ではなく、あの非人間的な無関心、この世のあらゆる事物を認めようとしない、完全な無関心を示す表情に、胆を抜かれた。
「きみ、こちらが井河くん」と島さんは客を紹介した、「こちらが野本くんに松井くんだ、諸君、僕のワイフです」
三人の客は紹介された順に、ズボンの膝を気にしながら、坐り直してそれぞれの名をなのり、「よろしく」と挨拶した。しかし奥さんはなにも聞えず、なにも眼にはいらないようすで、低く鼻唄をうたいながら、そこへちゃぶ台を押しやり、勝手から大きな丼を二つ、片方にはあみの佃煮、片方には福神漬が、それぞれ山盛りになっているのを持って来て、ちゃぶ台の上へ放りだした。誇張して云うのではない、文字どおり放りだしたので、二つの大丼はいまにも転げそうに、左右へ二、三度もひっかしがり、福神漬は一と握りほどこぼれ落ちたため、松井くんは慌てて膝を横へ向けた。
島さんはすばしこく手を伸ばして、二つの丼を安定させながら、松井くんのほうを見た。丼の一つから福神漬が汁といっしょに、一と握りほどこぼれ、松井くんが慌てて膝をよけたからだ。