일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いえ

家

島崎 藤村

島崎 藤村의 家(いえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,411자 · 285화면

아오조라 문고

「これで、まあ、漸く清々した」

と手を揉みながら言ってみて、三吉は庭に向いた部屋の方へ行った。

九月の近づいたことを思わせるような午後の光線は、壁に掛かった子供の額を寂しそうに見せた。そこには未だお房が居る。白い蒲団を掛けた病院の寝台の上に横に成って、大きな眼で父の方を見ている。三吉はその額の前に立った。光線の反射の具合で、玻璃を通して見える子供の写真の上には、三吉自身が薄く重なり合って映った。彼は自分で自分の悄然とした姿を見た。

三吉は独りで部屋の内を歩いた。静かに過去ったことを胸に浮べた。この一夏の留守居は、夫と妻の繋がれている意味をつくづく思わせた。彼は、結婚してからの自分が結婚しない前の自分で無いに、呆れた。由緒のある大きな寺院へ行くと、案内の小坊主が古い壁に掛った絵の前へ参詣人を連れて行って、僧侶の一生を説明して聞かせるように、丁度三吉が肉体から起って来る苦痛は、種々な記憶の前へ彼の心を連れて行ってみせた。そして、家を持った年にはこういうことが有った、三年目はああいうことが有った、と平素忘れていたようなことを心の底の方で私語いて聞かせた。