일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면

아오조라 문고

アイスアックス

アイスアックス

「私のアイスアックスはチューリッヒのフリッシ製」……と書き出すと、如何にも「マッターホーン征服の前日ツェルマットで買った」とか、「アルバータを下りて来た槇さんが記念として呉れた」とかいう事になりそうであるが、何もそんな大した物ではなく、実をいうと数年前の夏、大阪は淀屋橋筋の運動具店で、貰ったばかりのボーナス袋から十七円をぬき出して買ったという、甚だ不景気な、ロマンティックでない品なのである。だが、フリッシ製であることだけは本当で、持って見ると仲々バランスがよく取れている。その夏、真新しくて羞しくもあり、また、如何に勇気凛々としていたとは言え、アイスアックスをかついで大阪から汽車に乗りこむ訳にも行かないので、新聞紙に包んで信州大町まで持って行った。この時は針ノ木峠から鹿島槍まで、尾根を伝うのだから大した雪がある筈は無く、真田紐で頭を縛って偃松の中や岩の上をガランガラン引ずって歩いたもんだから、石突きの金具や、その上五六寸ばかりの処がザラザラになって了った。

この年から大正十五年の六月まで、私のアイスアックスは大町の対山館に居候をしていた。