후리가나로 읽는 일본 고전
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면
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大町から富山にぬけたのは、大正何年だったろうか。梅雨前で籠川の谷は扇沢の下のあたりから一面の雪、大沢小屋には窓の雪を掻きよせて入った。勿論番人はいない。翌朝早く出発しようと予定は出来ていたが、跡片附けに時間を取り、いよいよ出かけたのは十時に近かった。照りつける日光も激しかったが、雪の反射がまた大変で、汗は出る、雪は食えず、やっとの思いで針ノ木峠の頂上に着いた時には、口も利かずルックサックを落し、はいまつの上に大の字にねころがった。昼飯時はとっくに過ぎているのだが、飯を食う気もしない。平の小屋の方へ下りるのさえ、実はいやいやだったが、紫丁場と呼ばれる水呑場へ来た時のうれしさは、まったく言葉ではいゝ現わし得ぬほどであった。
◇
雪と太陽と水と……この三つがふんだんにある山はたのしい。夏の山のいゝところはそこにある。この点で私は針ノ木岳に近いマヤクボというところを好む。けわしい岩が屏風のように立ち、その下が草地、草地の隣に大きな雪田がある。雪田の下の方では水がチロチロと溶けて流れている。私はこの草地で、半日を完全にのびていたことがある。