후리가나로 읽는 일본 고전
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면
六
この本はいゝ本だ。
六
一月六日の夜、信州の大町から二里ばかり北の、国道に添った山の中のヒュッテに泊った時の経験は、容易に消え去らぬ印象を僕に与えた。
元来この小屋はスキー客のために建てたのであるが、山中ではあり、温泉は無し、東京から出かけて行く人なんぞ丸でなく、却って国道を通行する人の避難小屋として、主な存在理由を持っているのである。
あれは八時頃だったろうか。猛烈な吹雪で屋根も飛びそうな最中、突然戸があいて、雪まみれの男がよろめき入った。この小屋から更に一里あまり北にある一寒村の青年で、大町へ買物に行った荷馬車と一緒に来たのだが、吹雪のために馬がとまって了い、蝋燭も燃えつくした。蝋燭があるなら売って貰いたいというのである。小屋には蝋燭が無かったが、私のルックサックにはフォールディング・ランタンと一緒に数本の蝋燭が入っていた。それを二三本出すと、彼は銭を払うといったが、そんな詰らん心配はするなという訳で、彼――小屋番の話では兵隊から帰ったばかりで村の青年団長をしているそうである。どうりで言葉つき等もはっきりしていた。――は持ってきた提灯に火をつけ、吹雪の中ですくんでいる馬子と馬と車との所へ引きかえした。