일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면

아오조라 문고

もちろん信州でも北方に位するので、雪は落葉松の葉がまだ黄金色に燃えている頃から、チラチラと降り始めるが、昨年(昭和二年)は概していうと雪の来ることが晩かった。が、来るべきものは来ずにはおかぬ。十二月二十三日の晩から本式に降り出して翌日も終日雪。その翌日、即ち二十五日の朝、信濃鉄道の電車は十一人の元気な若者たちを「信濃大町」の駅へ吐き出した。いずれもキリッとしたスキーの服装に、丈夫なスキーを携え、カンジキと、アイスアックスを持って、大きな荷物はトボガンにのせ、雪を冒して旅館対山館に向った。彼等の談笑の声は炬燵にかじりついていた町の人々の耳を打った。ああ、早稲田の学生さんたちが来ただ! 町の人々はこういって、うれしく思うのであった。こゝ三年間、毎年冬になると雪が降る、雪が降ると早稲田の学生さん達が大沢の小屋へスキーの練習に入る。で、今年が四度目。雪に閉じ込められ、暗い、淋しい幾月かを送る町の人々にとっては、この青年達が来ることが一種の興奮剤となり、かつ刺激となるのである。

◇

対山館のあがりかまちに積まれた荷物の質と量とは、山に馴れた大町の人々をも驚ろかす程であった。