후리가나로 읽는 일본 고전
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
石川 欣一의 山を思う(やまをおもう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,814자 · 157화면
都合二百呎である。「よし、引っ張ってくれろ!」という声を聞いて、一同は力を合せて繩を引いた。二百呎の氷の裂目を、ブランブランと上るのは、危険至極である。氷の壁にたゝきつけられたら、頭を割るか、足を折るか、とにかく碌なことは無い。だが、どこ迄も運のいゝこの男は、無事に表面まで出て来た。
前夜、すくなくとも十時間は雪に埋った穴の中で凍え、二人に死なれ、たった一人でクレヴァスにうづくまること八時間、たいていの人間なら、もう山は沢山、ガイドなんぞするよりは、山麓のホテルで門番でもした方がいゝと思うであろうが、この男はどこからどこ迄アルプスのガイドに出来上っていた。もう弱り切って、ヒョロヒョロしているにもかゝわらず、「誠に申訳ないが、もう一度繩でしばって、クレヴァスに降して呉れ」という。救援隊の声を聞いた悦しさについ夢中になってアイスアックスをクレヴァスの底に忘れて来て了ったのである。懇望するまゝに、また二百呎の繩を彼の胴に縛りつけて、クレヴァスに降してやる。後生大事にアイスアックスをかゝえ込んだ男が、再びクレヴァスの口に顔を出したのは、それからしばらく経ってのことである。