후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
大倉 燁子의 恐怖の幻兵団員(きょうふのまぼろしへいだんいん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,784자 · 28화면
眼を開くとそれは実に奥の深い大森林に取り巻かれた、僅かの平地で、天幕が一つ張ってありました。あたりはしいんと静まり返って物凄い静けさです。中尉は夫を従えてその天幕の中へ入ったのです。
中では酒宴の真最中で、丸太の脚のついた大テーブルの上には山海の珍味がうず高く盛られ、高価な洋酒の瓶が林のように立っていました。実に豪華な宴会ですが、テーブルを前にして盛んに酒を呷っているのは軍服の士官と背広服の青年、それに一人の美しい女性が交った、たった三人きりでした。彼女は二十七八位のキビキビした態度で、麗わしい顔に理智的な眼が輝いていました。
中尉の紹介でその女性の隣の席につきましたが、一雄は何が何んだかわからず、夢のような気がしてぼんやりしていると、背広服をはじめ一同は夫のために乾杯をするやら、いかにも丁寧なにこやかな態度で、ここでもまた松岡の父が話題にのぼり、父の交遊関係など根掘り葉掘り訊ねるのでした。よくもこんなに細かく調べているものだと驚くほどだったと云います。穏かに雑談しているのですが、腰のピストルがいつでも物を云うぞ、というような、油断の出来ない、何んだか凄味のある和やかさだったのです。