후리가나로 읽는 일본 고전
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
林 芙美子의 放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,349자 · 207화면
一寸頭を上げると円い窓の向うに大きな波のしぶきが飛んでいる。
今朝の美しい機関士も、ビスケットをポリポリかみながら一寸覗いて通る。私は恥かしいので、寝たふりをして顔をふせていた。
ジュンジュン肉を焼く油の匂いがする。
「私はね、外国航路の厨夫なんですが、一度東京の震災も見度いと思いましてね、一と船休んで、こっちに連れて来て貰ったんですよ。」
大変丁寧な物云いをする人である。
私は高い寝台の上から、足をぶらさげて、御馳走を食べた。
「後でないしょでアイスクリームを製ってあげますよ。」
真実、この人は好人物らしい。神戸に家があって、九人の子持ちだとこぼしていた。
船に灯がはいると、今晩は皆船底に集ってお酒盛りだと云う。
料理人の人達はてんてこ舞いで急がしい。
私は灯を消して、窓から河のように流れ込む潮風を吸っていた。
フッと私は、私の足先きに、生あたゝかい人肌を感じた。
人の手だ!
私は枕元のスイッチを捻った。
鉄色の大きな手が、カーテンに引っこんで行くところである。
妙に体がガチガチふるえる。どうなるものか、私は大きなセキをした。
カーテンの外に呶鳴っている料理人の声がする。