후리가나로 읽는 일본 고전
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ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
林 芙美子의 放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,349자 · 207화면
私は貧乏故男も逃げて行きました
あゝ真暗い頬かぶりの夜だよ。
土を凝視めて歩いていると、しみじみ悲しくて、病犬のようにふるえて来る。なにくそ! こんな事じゃあいけないね。
美しい街の舗道を今日も私は、――女を買ってくれないか、女を売ろう……と野良犬のように彷徨した。
引き止めても引き止まらない、切れたがるきずなならば此男ともあっさり別れよう……。
窓外の名も知らぬ大樹の、たわゝに咲きこぼれた白い花に、小さい白い蝶々が群れて、いゝ匂いがこぼれて来る。
夕方、お月様に光った縁側に出て男の芝居のせりふを聞いていると、少女の日の思い出が、ふっと花の匂いのように横切って、私も大きな声で――どっかにいゝ男はいないか! とお月様に怒鳴りたくなった。
此男の当り芸は、かつて芸術座の須磨子とやった剃刀と云う芝居だった。
私は少女の頃、九州の芝居小屋で、此男の剃刀を見た事がある。
須磨子のカチウシャもよかった。あれからもう大分時がたつ、此男も四十近い年だ。
「役者には、やっぱり役者のお上さんがいゝんですよ。」
一人稽古をしている、灯に写った男の影を見ていると、やっぱり此男も可哀想だと思わずにはいられない。