일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

林 芙美子의 放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,349자 · 207화면

아오조라 문고

茶ブ台の上には、若草への原稿が二三枚散らばっている。

もう家には拾壱銭しかないのだ。

きちんきちんと、私にしまわせていた拾円たらずのお金を、いつの間にか持って出てしまって、昨日も聞きそこなってしまったが。

蒸してはおろし、蒸してはおろしするので、御飯はビチャビチャしていた。浜鍋の味噌も固くなってしまった。インガな人だなあ、原稿も書けないので、鏡台のそばに押しやって、淋しく床をのべる。

あゝ髪結さんにも行きたいなあ、もう十日あまりも銀杏返えしをもたせて、地がかゆい。

帰えって来る人が淋しいだろうと、電気をつけて、紫の布をかけておく。

三時。

下のお上さんのブツブツ云う声に目を覚ますと、ドタン、ドタン時ちゃんが大きな足音で上って来る。酔っぱらっているらしい。

「すみません!」

蒼ざめた顔に、髪を乱して、紫のコートを着た時ちゃんが、蒲団の裾にくず折れると、まるで駄々っ子のように泣き出してしまった。

私は言葉をあんなに用意してまっていたのに、一言も云えなくて沈黙っていた。

「さよなら時ちゃん!」

若々しい男の声が消ると、露路口で間抜けた自動車の警笛が鳴った。