일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면

아오조라 문고

これくらいな図太さと沈着がなければ勤まるものではない――と、教えているような態度である。

「御挨拶だな」

と、三平も至って洒然としたものであった。自国の中に敵国の密偵を見出したからといって、にわかに物々しく立ち騒ぐなどは、平常、注意のない常人のことで、泥棒の眼でみれば、世間に昼間も泥棒はあるいているので、あながち驚異するにもあたらないことだった。

「おとといの晩、恵林寺へ泊って、きのう同所で、快川和尚とお館の密談を盗み聞きして、寺僧に見つけられ、それから一目散にお立ち退きだったな。……そうだろう天蔵」

「そのとおり。貴公もあそこへ来ておったのか」

「生憎とな」

「知らなかった。それだけは」

「おぬしに取っては不運だ」

「そうかしらて」――と、天蔵は、ひと事のように空うそぶいて、

「武田の間諜、甘糟三平は、まだ伊勢境か岐阜あたりで、織田家の虚を嗅ぎあるいていると思っていたが……いつのまに帰国したか。さすがは三平、お迅いことだ、賞めておこう」

「むだな追従、いくら賞めても、おれの眼にとまったからには、生かして帰すわけにはゆかん。――この国境を生きてもどる気か」

「まだ自分には死ぬ気など少しもない。