일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면

아오조라 문고

去りゆく人々

つづいて、信長方から、京都奉行の村井民部が来、夕方ちかくなって、公式に信長の使者として、織田大隅守信広が見えた。

十七ヵ条の諫書に対して、

「以後は、条々、慎んで守るであろう」

義昭は、本心にはないことばを、信長の使者へほろ苦い顔して誓った。やむなくその日、和を乞うたのである。

信長の兵は、退くもまた静かに、岐阜へ帰って行った。

けれど、それからわずか百日とたたないまに、改めて、その軍はまた、二条をかこんだ。――もちろん理由がある。四月の和談以後も、義昭のやり口は、ひとつとして反省されていなかったのである。

去りゆく人々

二条妙覚寺の大屋根は、初秋七月の長雨に、蕭条と打ちたたかれていた。

信長の本営である。

こんどの出陣には、琵琶湖を例の大船で渡って来るときから、ひどい雨と風だった。

将士の戦意はそれがためむしろ荘重を加えている。雨と泥にまみれた軍隊が、足利家の第を厚ぼったく取り巻いて、

「いつでも」

と、命令一下を待機している形だった。

首にするも、捕虜にするも、将軍義昭の運命は、完全にもう味方にある。信長の将士は、やがて屠殺にかかる高貴な猛獣を、しばし檻の外から見ている感じだった。