후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면
かれの戦争はかれの芸術であった。その麾下の勇将猛卒も、それぞれ武器馬具旗さし物などに、死出の派手を凝らして、数万の鷹が、餌をめがけて、いちどに信玄のこぶしから、それッと放たれたかの如く、声の怒濤を作って、
――うわあッ……ッ。
と、敵の顔が見えるほど近くまで一気に駈けだした。
厖大な人数の輪が車形に旋るように、徳川勢も鶴翼の陣形をそのまま向きをかえて、敵のまえに人間の堤をきずいた。
敵のあげる埃、味方の埃、双方で蹴だてる埃に、一瞬は晦くなった。夕陽に光る槍ばかりが――晦いなかにキラキラしている。
甲州方も槍隊を前に押しすすめ、徳川勢も槍隊を前面に曝して対いあったのである。
「うわあッ」
と、彼方で武者吠えをあげると、うわあッと、こちらも谺をかえした。
塵煙がうすれると、敵の顔やすがたはよく見えるが、距離はまだずいぶん遠く距てているのである。そしてその槍の列からは、容易に一歩でも踏み出すものはなかった。
この場合は。
実に百錬の武者でも、歯の根がわななき、眼はつりあがり、平常のことばでいえば、総毛だつばかり誰も恐いのであった。
恐いといっても、日頃のそれとはまるで違う。