후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
と、いった。
信長のわきに用意されてある木綿の山を仰いで、庄屋たちは眼をまろくした。――あんな以前のことを、しかもただの旅人さえ眼のうちにも入れない乞食の群れを――と、みな熱そうに瞼をしばだたいた。
さっそく、庄屋以下、郷の者たちは、触れに行って、大勢の山中猿を呼び集めて来た。這って来る者、跛行をひいて来る者、負われて来る者、抱かれて来る者――馬頭観音の堂を繞って充満ちている上洛の美々しい行装の将士とくらべて――これは、おかしいような奇観であった。
けれど、誰も笑えなかった。いにしえの名君は仁愛禽獣に及ぶとあるが、信長の心やりもそれに劣るものではない。人間はたれもその得意な境地にあるときほど、他を思いやることは難しいというが、信長の今は、長篠の大捷を博してからまだ一ヵ月、人生最高な会心事とゆるし、密かに男児の胸に四隣を圧しる武威を大列に耀かして、しかも京都への栄えある途中にあるのである。――誰か、その信長が、岐阜を立つときからすでにこんな路傍の飢民にまで、心をかけていたなどと思いつこう。家臣がみな意外としたのはむしろ当然であった。
「この後とも、飢え死ぬようなことのないよう、郷の者も、情けをかけてつかわすように」