후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
其レヨリ漸々、敵味方モ見分ケタリ。後ニテ聞ケバ、柴田方ノ戸波隼人トテ由々シキ豪ノ者ナリシ由ニテ、其時ノ一番槍トモ称ハレタレ
と清正自身が噺していることになっている。一番槍は前にいったように問題だが、彼の正直な一面と、彼ほどな勇士においてさえ、真の決戦場に立った刹那の心理はさもあろうかと思われるふしがある。死生を軽々しくいうはまだ決して真の勇者ではない。
戦闘はもちろん瞬時も、一ヵ所に膠着していない。
初期は、柴田勢が引っ返して、高所の地の利に立ち、谷間攀じに迫る秀吉勢を眼下に邀え撃つ戦態にあったが、獅子児一群の奮迅が、忽ち堀切のタテを踏みのぼり、彼が中軍の幾将を槍先に梟けるにいたるや、
「すわや、不利」
と、そこは色めき立ち、
「――退けや」
の声が各所に聞え、みだれ奔る馬、士気なき旌旗、草ぼこり蹴だてて退く荷駄、歩卒などの崩れが、嶺道を、西へ、約二十町も、急退していた。
秀吉は、叱呼一番、
「今ぞっ」
と、潮に乗せて、自身、東の崖上から降りて、谷あいを駈け渡り、武者輩に、尻を押されながら向う側の高地へ這い上がっていた。
「馬をよこせ。馬を曳いて来い」
秀吉は、彼方に立つと、大声で呼ばわっていた。