일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

田中 貢太郎의 日本の怪談(ぎじんのすがた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,030자 · 115화면

아오조라 문고

と、飯田が云った。玄関口に腰をかけていた部下は、手にしていた銃を持って僧の傍へ往って、その台尻で背を撲りつけた。

「白状しろ」

僧は苦痛を忍えていたがやがて倒れかけた。この拍子に俯向いてうっとりとなっていた女が顔をあげてきょろきょろしていたが、やがてぱっちりと眼をあけたようにして四方(あたり)を見廻し、そして、飯田の顔を見ると、

「あなたは」

と、叫んで涙を流した。飯田はたしかに妻の声を聞いたのであった。飯田はおりて往った。

「お前はお高じゃないか」

女は前に来た飯田に顔を差し出してその胸にすがるようにした。

「お前はどうして此処へ来た」

女はまたきょろきょろと四辺(あたり)を見た。僧は軍士に撲られて倒れていた。

「此処は何処でございましょう、私はどうしております」

「お前は勝沼在の寺にいる、どうした、この様は」

女は大きな呼吸(いき)を吐いた。

「私は、家にいると、某日(あるひ)、背の高い坊主が来て、私を睨んだことをおぼえておりますが、それからは、何をしていたやらさっぱり判りません」

飯田は奇怪な思いと不快な思いに精神が錯乱しようとした。部下は急いで女の縄を解いた。